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専門家コーナー

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2016.2.16

Ⅰ: 当医院は1972年1月17日、千葉県で最初に精神科を標榜したクリニックとして開設しました。理念としては精神科総合クリニックとして、又、全人医療を目指して努力しております。全人医療を目指すには医師として、又医療機関として責任もあり、期待されている科学的医療にも充実していることが期待されている。この度、当医院の取り組んでいる現状についてご案内いたします。
Ⅱ: 日常診療体系
①医師をはじめ、専門家の自主性を最大限に尊重しつつ、総合精神科クリニックとして、科学的スクリーニングと治療に連携して対応しています
②諸検査について;DSM―Ⅴに対応すべく努力しております。
  ○ 心理テストについて
知能、特性―――WAIS-Ⅲ
人格特性―――MMPI(パソコンで自動補正され簡単に実施可能)
半構造化簡易面接―――M.I.N.I.ルーチンに実施
SCT----文章完成法テスト
対人交流パターンーーーTEGⅡ
精神病理―――ロールシャッハテスト
不安尺度―――MAS
強迫性尺度―――LOI(Y-BOCS)
社交不安尺度――L-SAS-J
抑うつ尺度―――SDS
        HAM-D(ハミルトンうつ病評価尺度)
自閉症スペクトラム対応―――AQ(WAIS-Ⅲと併用)
         *家族聞き取り用(PARS)
双極性障害―――BSDS
注意欠如多動性障害―――成人のADHD診断基準(WAIS-Ⅲと併用)
アルコール症―――新KAST
認知機能――長谷川式;MMSE;浜松式脳機能検査;N式精神機能検査
  ○ 脳機能検査について
画像診断;頭部MRI(A)を精力的に実施(CTスキャンは終了)
脳波検査:てんかん、意識喪失発作等のほかに熟眠感不全等の確認に応用できる。
頚動脈超音波;高齢化社会で動脈硬化の確認に有用です。
  ○ その他の検査
心電図検査:看護師、臨床検査技師が即座に行える体制です。
血液検査;ルーチン検査
     高齢者向き検査
     認知症向き検査
     甲状腺機能検査
     その他必要な諸検査可能
Ⅲ: 初診(再診)の一般
①脳機能・器質的病変;MRI(MRA)+頚動脈超音波
*発生30分の早期からの診断可能
②てんかん、意識喪失発作;脳波検査にその他の検査可能
*脳波検査は熟眠感不全患者さんの睡眠深度確認に応用可能
③統合失調症;MINIによる併存症の同定、MMPI、ロールシャッハテスト,その他
④臨床上高頻度19項目について
(a)うつ病の可能性が低い場合;MINI+SDS
(b)うつ病の可能性が高い場合;MINI+HAM-D
*併存症のチェックに対応して諸心理テストを予約実施
⑤その他の疾患、障害;ICDに基づいて診断
Ⅳ: 特別外来
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勤務医は常勤、非常勤を問わず特殊外来を開催できるが、当医院の対応能力以内で行っていただきます。
脳神経外科外来;毎週専門医により開催されております。
Ⅴ: 治療方針
①米国精神医学会の治療ガイドラインに基づいて行うよう努める
②その他、各種学会のガイドラインを尊重する
③医師の個人的な興味で特殊な治療を行う場合は他の医師,医院は責任を負わない。
④専門外は出来るだけ紹介していただくことにしています。
⑤当医院は漢方は行っておりません。
*以上、当医院の特徴として、(1)総合精神科クリニックである、(2)全人医療を目指す(医師個人の選択に任せる)、(3)科学的医療もスクリーニングレベルとして最高ものを目指す、(4)カウンセリング、精神保健福祉士と一体の医療を目指す、(5)精神科臨床は併存症が特別多いとの認識がある、と纏めることが出来ます。
Ⅵ: 半構造化面接による双極性障害の検討
この研究は2016年1月30日に第1333回千葉医学会(第33回精神科集談会)で発表したものです。
要 点
①3,670例のM.I.N.I.(半構造化面接)にSDS又はHAM-Dを併用して実施した。
②そのうち、2,992例(81.5%)で大うつ病にチェックがついた。
③内、750例に躁状態,軽躁状態(25%)にチェックがついた。
④内、82例にBSDSを実施した。その結果、双極性障害は14%と推測された。
⑤半構造化面接でチェックがつかず、抗うつ薬で躁転した4例でも実施して,うち3例は双極性障害と推測された。
⑥こだわっていると自覚していないとチェックしないので、強迫性障害は半構造化面接の数よりも多いことが経過観察で分かっている。
⑦外傷後ストレス障害はうつ病にカウントされているものが多いと推測される。
⑧各種不安障害についてMAS,LOI,L-SAS-Jを実施して,かなり正確と推測される。
⑨精神科診断は基本的に症状診断であり、これに病因検討と併存症の存在を加味した診療が重要であることを示した。

 

 

 

 

 

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