脳ドックの成績概要のご報告 |
日下医院開設20周年記念事業として、1992年3月より開始いたしましたクモ膜下出血検診システム(脳ドッグ)は、お蔭様で、2,500名以上のご利用をいただき、十分な成果を挙げております。
また、日本脳ドッグ学会には、設立当初より参加して、学会発表も毎年行なっております。いわゆる脳ドッグといわれるものは、全国で沢山の施設で実施されておりますが、使用される機種、その使用方法、その判読能力等によって成績は、大きなばらつきがあります。当医院の成績は、学会でもトップクラスと自負しております。
ここに、今迄の脳ドッグの成績の概要を申し上げます。
lacuna | leukoaraiosis | etat crible | ||
30才代 | 0.4 | 2.4 | 47.44 | |
40才代 | 3.5 | 29.2 | 62.60 | |
50才代 | 8.7 | 57.3 | 83.00 | |
60才代 | 16.8 | 81.7 | 89.80 | |
合 計 | 6.8 | 42.5 | 72.10 |
lacuna: | 直径3mm以上の境界明瞭な穿通枝領域の病変:本物の梗塞で治療の検討対象 |
leukoaraiosis: | 斑状―地図状のやや境界不明瞭な白質病変で種々の病理的変化が含まれている |
etat crible: | 直径2㎜以下の境界明瞭な穿通枝領域の病変で、血管周囲腔の拡大 |
上記①②③はまだ日本語訳も決まっていないものですが、これからの脳ドッグでは、 | |
これらの鑑別が必要となります。殊に、治療検討対象となるラクナが平均で6.8% | |
に認めれれますので、40歳の誕生日からの脳ドッグをおすすめ致します。又、正常健 | |
康人に比較して、高血圧症、高脂血症(総コレステロ−ル、中性脂肪が高い)、糖尿病、 | |
不整脈等の成人病の疾患のある方は有意に発生率が高くなりますので、一層の予防的 | |
心構えが必要です。当然のことながら、成人病のある方のラクナの治療は基礎疾患で | |
ある成人病の治療が優先致します。 |
1997年4月10日 |
医療法人社団 望葉会 日下医院 |
理事長 日下 忠文 |